正しい投球の十か条

レイナー・ノーブルの正しい投球のための十か条

レイナー・ノーブル(James Rayner Noble: 1961-)は、ヒューストン(アメリカ合衆国Texas州Houston)大学の野球チームのヘッドコーチを務めていた米国野球界有数のコーチで、現在はヒューストンにあるSecond Baptist Schoolの野球チームのヘッドコーチです。ノーブルは、就学年齢の野球選手の、特に投手にけが、故障が多いことに対し、次の 10 項目の注意を提言しています。

  1. 筋肉が暖まるまで投げてはいけない。投球練習の前に、ストレッチングや柔軟体操、軽いジョギングが必要だ。
  2. 正しい腕の動きがきわめて重要だ。両手を体の前にして立ってからボールを手から放すポイントまでが、密接につながった一連の動作でなければならない。
  3. 投球動作中のバランスが大切だ。ボールを持った手がグラブから離れ、上げた足が下り始めるまでは、プレートをける動作を始めてはだめだ。
  4. 軸足のけりが終わるまでは、おしりと肩を開かないように。このことがプレートに対する下半身のひねりの力を最も大きく生み出し、ボールにスピードがつき、肘や肩への負担が少なくなる。
  5. 両足とおしりを使おう。軸足をけり、おしりを素早く回転させることでスピードが増し、ピッチングの動きがよくなる。
  6. ボールを手から離したら、腕を振り切れ。正しいフォロースルーでは、投げた方の肩が低くなり、低めかストライクゾーンに決まる。
  7. 自分の腕は大切にしよう。投球しないとき、特に寒いときには腕全体をカバーしておこう。ウォーミングアップなしに投げてはいけない。
  8. 投球には体のコンディションが大切だ。基本的には、自分自身に合うように、毎日のランニング、ストレッチング、軽めのウエイトトレーニングを組み合わせるのだ。上半身は、軽めのトレーニングを数多く繰り返す。下半身は、中ぐらいの負荷で普通に繰り返す。腹筋運動も忘れるな。これらのことを覚えておくのだ。
  9. 投球には精神のコンディションも大切だ。よいバッターに対する投球をイメージするのだ。試合に立ち、ピンチの場面をよい投球で切り抜けることをイメージしよう。肉体のトレーニングと同じように、精神的にもそういう投球のイメージを数多くトレーニングすれば、投球の能力をより高めてくれる。それは、実際に大きな試合やピンチになったときにどうすればよいかのリハーサルになる。
  10. 自分の体の動きやピッチングフォームをよく研究しよう。有名投手のフォームをまねようとする投手を数多く見るが、決してよいことではない。

原典

William Jay Bryan. Baseball and Softball. In : Bruce Reider editor. Sports Medicine : The School-Age Athlete 2nd edition. Philadelphia : W.B. Saunders; 1996. p. 491 – 541.
TABLE 26-2. Raynor Noble’s 10 Commandments for Proper Pitching ( chapter 26, p. 503 )
Source : From Raynor Noble, personal communication.

注記

注:Rayner Noble のつづりについては、ヒューストン大学やメジャーリーグでの記録をウェブ上で見ますと ” Rayner Noble ” となっていて、この本での ” Raynor Noble ” というつづりは誤植と思われます。