整形外科 リウマチ科

Akamatsu Orthopaedic Clinic

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本リウマチ学会 リウマチ専門医

日本体育協会 公認スポーツドクター

野球と肩、肘のスポーツ障害

成長期の投球障害

野球をよくするお子さん、少年野球選手では、肩や肘の痛みが生じることがよくあります。

  • 体がまだ弱い成長期のこども ( 小児、お子さん ) や若い野球選手は、スポーツのし過ぎによって、体にかかる負担が骨格、筋腱靭帯の強度を超えやすく、体への様々なダメージが起こります。
  • 特に投球動作によって肩、肘、腰に障害が生じることが多いです。
  • 速いボール投げすぎる、数を多く投げすぎる、幼いうちから投球する、しかも休みを入れずに投げ続けますと、肩や肘の故障を招きます。
  • 投球した後に肩や肘が痛んだり、利き手の反対の関節とくらべて違和感があったり動かしにくい場合、医師 ( 整形外科医、スポーツドクター ) にすぐ相談するのがよいです。
  • 発症後の早い時期の治療の機会を逃せば、回復しない障害となる可能性があります。
  • 野球を断念しなければならなくなったり、成長後に骨関節の変形が残るなどの結果を招く恐れがあります。
  • そのため、発生の初期から、十分な注意が必要で、痛みをおしての無理は禁物です。

当院での野球肘、リトルリーグ・ショルダーの子供の患者さんの診療の状況はこちら

野球肘

右投げの投手の少年の肘の X 線写真です。右肘の内側の骨の成長する部分(骨端:矢印)が、つぶれて不整な形になっています。

野球肘の患側の X 線写真 PNG 96KB 野球肘の健側の X 線写真 PNG 92KB

これも右投げの投手の少年の肘の X 線写真です。右肘の内側の骨の成長する部分(骨端:矢印)が大きく不整な形になり、ベースとなる骨(上腕骨)との間が広く不規則なラインになっています。

野球肘の患側の X 線写真 PNG 80KB 野球肘の健側の X 線写真 PNG 84KB

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リトルリーグ・ショルダー

少年野球選手の肩という意味です。

右投げの投手の少年の肩の X 線写真です。右の上腕骨の骨が成長する部分(成長軟骨線:矢印)での骨の障害が起こり、成長軟骨線が開いてしまっています。

リトルリーグ・ショルダーの患側の X 線写真 PNG 60KB リトルリーグ・ショルダーの健側の X 線写真 PNG 64KB

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少年野球選手の故障を招く要因

故障を招く要因としましては、次に挙げるようなものが考えられます。

  • 練習量が多い。
  • 試合数が多い。
  • オフシーズンがない。
  • チームに複数の投手や捕手を養成することができない。
  • 選手の健康管理が行き届いていない。
  • 勝負にこだわりすぎる。
  • 選手に過度の期待をかける。
  • 他のスポーツをせず、野球ばかりに集中する。

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対策

身体の成長に合わせた鍛え方、練習の仕方があります。幼い脆弱な身体にいくら無理な負荷をかけても、力はつきませんし、運動能力は向上せず、故障の原因になるだけです。

楽しく、バランスよく、多様な運動を、無理なく行うことが大切です。

青少年の野球障害に対する提言

日本臨床スポーツ医学会編、青少年の野球障害に対する提言より
  1. 野球肘の発生は 11, 12 歳がピークである。従って、野球指導者はとくにこの年頃の選手の肘の痛みと動きの制限には注意を払うこと。野球肩の発生は 15, 16 歳がピークであり、肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払うこと。
  2. 野球肘、野球肩の発生頻度は、投手と捕手に圧倒的に高い。従って、各チームには、投手と捕手をそれぞれ 2 名以上育成しておくのが望ましい。
  3. 練習日数と時間については、小学生では、週 3 日以内、1 日 2 時間をこえないこと、中学生・高校生においては、週 1 日以上の休養日をとること。個々の選手の成長、体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
  4. 全力投球数は、小学生では 1 日 50 球以内、試合を含めて週 200 球をこえないこと。中学生では 1 日 70 球以内、週 350 球をこえないこと。高校生では 1 日 100 球以内、週 500 球をこえないこと。なお、1 日 2 試合の登板は禁止すべきである。
  5. 練習前後には十分なウォームアップとクールダウンを行うこと。
  6. シーズンオフを設け、野球以外のスポーツを楽しむ機会を与えることが望ましい。
  7. 野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その防止のためには、指導者との密な連携のもとでの専門医による定期的検診が望ましい。

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