参考 : 第三次試案関連文書

2008 年 4 月、厚生労働省のパブリックコメント 案件番号 495080001 ( 2008.4.3 - 2008.5.7 ) 「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 - 第三次試案 - 」にパブリックコメントを提出した後、各所への意見具申に出した文書等を保存しておきます。

日本医師会、全国都道府県市区医師会宛

2008 年 5 月 24 - 25 日、全国の医師会に、FAX とメールで、これから出されるであろう第三次試案に対する日本医師会の見解に注意してくださいと親切心から申し上げてみました。

第三次試案の法制化云々以前に、昨年末の段階で自民党は法務省に法制化作業に着手させていたと、木下常任理事が日医理事会で説明しています。また、キャリアブレインニュース ( 2008.5.22 ) によりますと、2008 年 5 月下旬までには厚生労働省ですでに法案ができているようで、それは処罰を色濃く滲ませた、第二次試案までの思想そのもののようです。また、自民党大村秀章衆議院議員 ( 自民党検討会座長 ) は、既に法案はできていて、政治情勢を見ながら国会にいつでも出せると言明しました。

日医執行部は、その見解案を見ますと、知ってか知らずか、第三次試案で日本の医師の総意は賛成、などという見解を表明するつもりのようです。日医が賛成してできた法律は、第三次試案のようなカムフラージュのない、刃むき出しの厳罰化だったりする恐れがあるのです。日医執行部は騙された振りでもするつもりでしょうか。


医師会長先生ならびに会員諸先生侍史

拝啓

時下、貴会の先生方におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。突然のmailを差し上げる失礼をご容赦ください。

今週、厚生労働省「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 - 第三次試案 - 」に対するパブリックコメントの中間集計が発表されました。また日本医師会は、昨日までの期限で、各都道府県医師会宛に日本医師会の見解(案)を示し、各都道府県医師会からの意見を募っていると伺っております。

ところが第三次試案には、第二次試案までと同様、重大な欠陥があり、日本医師会常任理事木下勝之先生のご説明をもってしても、不安が拭えません。しかしながら、日本医師会執行部は、その見解案をもって日本医師会の意見集約を図る意向だと思われます。

貴会におかれましては、既にご意見を表明されたり集約なさったこととは存じますが、現場の医師の危惧の声が多いことをお察しくださり、日本医師会の見解が出されたあかつきには、それが医師の危惧を払拭し得る内容になっているか、ご検証頂ければ幸いに存じます。

末筆ながら、貴会の益々のご発展を祈念申し上げます。

敬具

付記

第三次試案では、刑事司法の手続を抑制する明確な法的根拠がありません。

法務省刑事局長、警察庁刑事局長が第三次試案を容認賛同するとコメントしても、刑事手続に関する法規定は現状と変わらず、告発があれば刑事手続はこれまでと同様進んでしまいます。これは法務省刑事局長、警察庁刑事局長が国会で答弁したとおりです。もしも法務大臣が国会答弁で、医療安全調の調査が刑事司法よりも優先的に行われると答弁しても、刑法、刑事訴訟法が制限されることにはなりません。

厚生労働省が法務省との確約と言って手にしようとしているものは口約束だけですし、仮に文書があっても、法の付帯決議や判決の傍論には何の拘束力もないことは明らかです。それを、医療安全調ができたら刑事手続は抑制され刑事訴追件数が明らかに減ると喧伝するのは、偽りです。

日本医師会常任理事木下勝之先生は、法務省から刑事手続を謙抑的に扱うとの確約を得たとおっしゃっていますが、それは文書ではありません。もともと刑事司法は謙抑的ですが、そのなかで福島県立大野病院の事件は起こりました。第三次試案であってもこの事件は防げません。第三次試案があれば福島県立大野病院のような事件は起こらないとおっしゃる木下先生のご発言も不適切です。

厚生労働省第三次試案の欠陥

  1. 医学的な充分な調査がなされない。
  2. 起こった出来事の経緯の解明(システム工学的調査)も充分にはなされない。
  3. 医療事故の再発防止に役立てられる見込みは乏しい。
  4. 刑事司法の手続を何ら抑制するものではない。
  5. 調査と行政処分の権限が集中する厚生労働省の権限は強大なものになる。
  6. 患者さん側の理解を得られる見込みは乏しい。

なお、第三次試案パブリックコメントや日本医師会都道府県担当理事連絡協議会などが行われている裏で、厚生労働省は法制化を進めていたようです。その法案は処罰の思想を色濃く滲ませるもののようです。

カルテ提出拒否に罰金30万円以下 - 死因究明制度の原案 - CB ニュース 2008/5/22 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16162.html

私が送らせて頂いた文面を取り上げて下さっているのを拝見しました。

広島県安芸地区医師会 / 医師会月報 / 2008 年 7 月号本文前半 pdf 1MB ( 保存 pdf 1MB )

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