医療事故調査制度
医療に関連して起こった不幸な出来事を医学的、科学的に調査し、再発防止策を講じ、医学医療の発展に役立てることは、必要なことです。
この医療に関連して起こった不幸な出来事のうち、医療関連死について、厚生労働省は、医療事故を調査し、医師への処分を強化、迅速化する制度を構想しました。
読売新聞 2005.7.16
医療事故を強制調査、医師を迅速処分 ... 厚労省、法改正へ
事情聴取・立ち入り権限
厚生労働省は、医療事故を起こした医師を迅速に行政処分するため、強制力を伴う事情聴取や立ち入り調査ができる「調査権」を確立することを決めた。
毎日新聞東京朝刊 2006.3.11
医療事故:再発防止、病院の強制調査も
医師法改正、行政処分を強化 - 厚労省方針
繰り返される医療事故を防ぐため、厚生労働省は医師や歯科医師に対する行政処分を強化する抜本的な体制整備に乗り出す。医師法などを改正し、これまで任意で行ってきた医師への聴取やカルテなどの提出、医療機関への立ち入りを強制的にできるようにする。拒否すれば 50 万円以下の罰金を科す。行政処分を担当する専門職員を全国の主要都市に配置し、処分の迅速化も図る。
医師への処分の強化は、一つには医道審議会において民事訴訟の結果をもって ( 刑事責任を問われなかった医療行為について ) 医師を処分できるように、制度をあらためました。
もう一つあって、それが 2007 年から厚生労働省内で検討が始まった医療事故調査制度の創設です。
処分の強化に取り組むという方針なのです。この考え方を基に、診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 - が出され、その思想は、医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 - 第三次試案 - にも受け継がれています。
処分強化のための調査は、医学的科学的な充分な調査を行うことができず、再発防止に役立たないどころか、リスクのある現場を担う医師が減ること、すなわち医療破壊の原因につながります。
世界保健機関 ( WHO ) から 2005 年に出された医療 ( 患者さんの ) 安全のためのプログラム ( pdf 886KB )とガイドライン ( pdf 1.2MB ) を見ますと、先進諸国での航空機事故や医療事故の取り組みに見られる基本理念として、報告者を保護することによって誠実な報告と正確な調査を行うこと、それが再発防止、すなわち患者さんの安全に資するものであることが述べられています。
第二次試案、および第三次試案には欠陥があるため、賛成できないことを厚生労働省のパブリックコメントに応募して意見具申し、以下のリンクに示しました。
- 大綱案パブリックコメント
- 第三次試案 / 東灘区医報
- 医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 - 第三次試案 - パブリックコメント
- 診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 - パブリックコメント
- 参考 : 大綱案関連文書
- 参考 : 第三次試案関連文書
- 参考 : 第二次試案関連文書
- 参考 : 医道審議会の強化と富士見産婦人科病院事件
- 参考資料
- 参考資料 : 2003 年
- 参考資料 : 2005 年
- 参考資料 : 2006 年
- 参考資料 : 2007 年 1
- 参考資料 : 2007 年 2
- 参考資料 : 2007 年 3
- 参考資料 : 2007 年 4
- 参考資料 : 2007 年 5
- 法医学会 1994 年 「異状死」ガイドライン
- 外科系学会 2001 年 声明 診療に関連した「異状死」について
- 外科内科各学会 2004 年 診療行為に関連した患者死亡の届出について - 中立的専門機関の創設に向けて -
- 日本学術会議 2005 年 異状死等について -日本学術会議の見解と提言-
- 自由民主党 2007 年
- 民主党試案 2008 年
- 日本医師会 2007 年
- 日医見解 2008 年 1 厚生労働省第三次試案に対する見解
- 日医見解 2008 年 2 日医見解と案、対照表
- 兵庫県医師会 2007 年 1 日本医師会宛、近畿医師会連合意見書
- 兵庫県医師会 2007 年 2 厚生労働大臣宛、近畿医師会連合要望書
- 兵庫県医師会 2008 年 第三次試案兵庫県医師会パブリックコメント
- JCOA 2008 年 日本臨床整形外科学会 「医療安全調査委員会設置法案」大綱案について 意見書


