整形外科 リウマチ科

Akamatsu Orthopaedic Clinic

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本リウマチ学会 リウマチ専門医

日本体育協会 公認スポーツドクター

整形外科学と科学

基本的な考え方

整骨、整体、カイロプラクティックなどの施術をはじめ、癌やアトピーなどに対するさまざまな代替医療について、お尋ねをいただきます。こういうものの是非についてはお答えしにくいのですが、お答え申し上げるとしますと、否です。

医師としましては、医師、科学者としての倫理、責任から、医師が関与しない代替医療を患者さんに勧めることはありません。また、医師が行う医療行為の中にも、非科学的、あるいは一般的でないもの、きわもの的なもの、患者を食い物にする詐欺的なものが様々あり、注意を要します。

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医療と科学

現代の社会制度としての医療、公共性の高い社会のインフラとしての医療は、おまじないやまやかしではなく、多くの人に広く受け入れられる手段、これから申しますように科学に基づきます。

医学は、科学 ( science ) ですので、次のような要件が求められます。

合理性があるかどうか

治療法など、医療行為の原理や結果に至るまでの過程が合理的に説明できるようなものであれば、まやかしから遠ざかることができます。

再現性があるかどうか

ある治療法が開発されるとき、最初は少数の患者を対象とした実験的な治療法として始まります。その結果が論文として発表され、世の中に知られるようになりますと、他の医師が同じようにいくものかどうか試してみるようになります。追試といいます。

本当に有効な治療法であれば、いろんな追試の結果も同様な、有効という結果がでるでしょう。

普遍性があるかどうか

医療は人間が行う技術でもあるので、ある治療法は、世界中どこででも、努力、時間、費用、設備さえかければ同じようにできるはずです。つまり、普遍性がなければなりません。ある医師のところでしか治療できない、というのは宗教、呪術であって、科学技術ではありません。

客観性があるかどうか

新しい治療法が開発されるとき、他の医師の追試を受け、やはり効果的である、あるいは効果がなかったといういろんな結果を踏まえて、その新治療法は果たして有効かどうかが議論され、有効そうだとなれば、次に臨床試験が行われ、それで有効性の結論を出すのです。

あるいは、長い年月にわたり、世界の多くの人が、その原理、方法と効果を明瞭に理解し、受け入れているような治療法というものもあります。

すなわち、誰が見ても明らかな方法と効果があるという客観性がなければなりません。逆にいうと、少数の人にしか受け入れられていない治療法は、有効性が検証されていない、危険をはらんだものということです。

反証可能性があるかどうか

科学的な方法とは、ある考え、仮説、理論が実験、経験によって証明され、また、他人によって追試され、異なる考え方をあげて反論し、またそれを実験によって検証するといった、主義主張の検証のしあいっこのような手続きを踏むことです。そうすることで人間の見識は高まり、真実に近付くことができ、多くの人に受け入れられる考え方、方法になるのです。

医学、科学、哲学

反証可能性やそのほか上にあげた要件が、科学のすべてではありません。また、科学は万能ではありませんし、科学ですべての物事がわかるわけでもありません。しかし、科学的な考え方、方法は、人間が真実に近づくための現在手にすることができる唯一の方法であり、真理を探究する哲学 ( philosophy ) ともいえるのです。

はじめの方で記しましたように、医師は、科学者ですし、そうであるべきなのです。

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医療の有効性の判断について

医療には絶対ということはないので、ある治療法がすべての患者に有効ということは有り得ないのです。故に、ある治療法を、これで絶対治るといえるようなことはないのですが、その治療法を試みてみても大丈夫かどうか、判断する目安というものはあります。そのひとつとしましては、日本や海外で多くの患者がその治療を受けているかどうか、合理性、普遍性、客観性、再現性があるかどうかということで判断することができます。

多くとは、ある医療施設 1 カ所だけで多くの患者が集まっているというのではなく、普遍的に行われているかどうかという意味です。このようにいうと、世の中のほとんどが間違っていて、少数だが正しいこともあると反論したくなります。本当に正しい治療とは神のみぞ知ることで、われわれ人間、医師にできることは、多くの人に受け入れてもらえる、信じてもらえる治療法が正しい治療法ということになります。こういう意味で、正しいことであれば、特に病気の治療法となれば世の中に広く受け入れられるでしょうし、一部でしか行われていない治療法はやはりそれなりのものなのです。

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代替医療、きわもの医療

代替医療について

代替医療は、既存の科学である西洋医学による医療以外の、いろんな医療に似た行為、医業類似行為を包括した呼び方です。柔道整復、鍼灸、あんま、マッサージ、指圧など国家資格によって行われるもの、整体、カイロプラクティック、オステオパシーなどの施術、アロマテラピー、各種の食品や飲料、マイナスイオン、手かざし、気功、祈祷など、医師以外の人達によって行われているもの、さらには医師によって行われている絶食療法、特殊な薬や食品、水、器具などによるものもあります。

きわもの医療について

これは、私が勝手に呼んでいる呼び方で、一般的に行われている医療からあまりにもかけ離れている、医学、医療の常識としておかしいと思う、以下のようなものをこう呼んでいます。多くの代替医療がこれに含まれます。これらは、すべて、病気に困っている患者さんの心理の弱点を突いた商売をしているという特徴があります。

  • 基礎的な治療原理が合理的に説明されていない。たいていはこじつけです。
  • 何にでも効くと宣伝している。
  • アトピーがこれで治ったというような言い方をする。
  • ガンがこれで治ったというような言い方をする。
  • 自分のところでしかできないとか、限られた施設でしかできないというような言い方をする。
  • 一般の方々向けの本を出版している。
  • 一般の方々向けの雑誌の記事で宣伝していたりする。
  • 専門の医学雑誌に治療成績を発表していない。
  • 自分達が唯一正しく、既存の西洋医学の方が間違っているというような言い方をする。
  • 治療費、薬などものの価格の設定が治療行為の内容に比べて高額なもの。
  • いかにも専門的な学会、研究機関のように聞こえる名前を冠していたりする。
  • 自分達の団体を作って、独自の資格認定制度をつくっている。
  • 海外、特にアメリカでも認められているという言い方をする。こういっているものの大半は嘘で、アメリカの NIH ( National Institute of Health ), NCCAM ( National Center for Complementary and Alternative Medicine ) は多くの代替医療の検証を行っていますが、NCCAM, NIH が有効なものと認めた代替医療は、現在のところ、わずかです。

参考

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