神経ブロック
有害な、不必要な痛みを止める
痛みは、生体を守るために必要な感覚です。痛みを感じることができないと、けがをしても分からない、人体が有害・危険なものに出会っても、それが人体にとって有害・危険なものと分からないことになります。
痛みを感じますと、筋肉は緊張し、関節の動きは硬くなり、組織の血液循環量が減ります。痛みが続きますと、組織内では物質の代謝異常が起こり、痛みを引き起こすような物質が作られるようになり、また筋肉や関節の動きの硬さや緊張が痛みをより強くします。こうして、痛みの悪循環ができ上がってしまいます。
痛みは、生きていく上で必要な感覚なのですが、このような有害な反応になってしまいますと、痛みを止める必要があります。そのためにのみ薬、理学療法などとともに、痛みを抑える薬を神経または神経の近くに注射して痛みの感覚を抑える治療法があります。これが神経ブロックです。
神経ブロックでは、主に局所麻酔薬を用います。傷口の手当てや歯の治療で使うものと同じです。一時的に痛みの感覚を和らげ、痛みの悪循環を絶ち、筋肉の緊張を緩和したり、組織の血液循環を改善させます。
長所と短所
用いる薬が少量の局所麻酔薬なので、消炎鎮痛剤を飲み続ける場合のような、体内に薬が存在し続けることによる薬の副作用が少ない、という利点があります。
反対に、副作用、合併症の注意、神経ブロックが適さない病気や体の状態に対する注意が必要です。神経ブロックの種類ごとに、それぞれに特徴的な注意点がありますが、おおまかな共通するところを挙げておきます。
神経ブロック後に随伴する症状
- 30分〜1時間程度、交感神経の働きが低下した状態になり、立ちくらみや一時的な血圧の低下が起こることがあります。
- 注射部分の痛みが数日続くことがあります。
神経ブロックの合併症
- けいれん、意識はあるのに手足が動かなくなったり、意識消失に陥ることがあります。
- 呼吸停止、ショックが起こりえます。
- 細菌の感染がおこることがあります。
神経ブロックは合併症の予防策を講じながら行いますが、これらの合併症は予期せずに起こり、完全に防ぐことはできません。大変まれではありますが、致命的な場合がありえます。また、これらが、合併症のすべてではありません。
当院で対処できない合併症が起こった場合は、高次の医療機関に転院して頂きます。
使用している局所麻酔薬
当院では、カルボカイン ® ( 塩酸メピバカインのアンプル )、またはそのディスポーザブルシリンジを用いています。作用時間が短く、副作用が比較的少ない利点があります。
チェックポイント
以下のような場合、神経ブロックは行えないことが多いです。
- 今までに、局所麻酔薬の副作用があった方 ( 傷の処置や歯の治療などで )
- 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方
- 次のような症状がある方
- 風邪ひき
- 発熱
- のどのいたみ、はれ
- 次にあげる病気をお持ちの方
- 糖尿病
- 心臓疾患
- ぜんそく


